アニマン

最近コミック本に付いている帯でよく目にする”アニメ化決定!”というコピー。それ自体は別にいい。問題なのはその対象となる漫画のほう。まず最近の主流漫画はアニメのために描かれているのではないかというくらいアニメに傾倒したタッチに見える。それはもう漫画ではないんではなかろうか?まずアニメを漫画でやってしまっては元のアニメには到底勝てない。今のアニメはカラーが当たり前だからだ。漫画がモノクロである意味をまず考えなくてはいけない。漫画のほとんどが何故モノクロなのか?おそらくは飽きさせないためだろう。一見、全編カラーの方が表現力が増して飽きないように思えるかもしれないが、おそらくずーーーっとカラーで見せられると目がチカチカしてくるし、読者の想像力が触発されにくく読んでいて飽きてしまうだろう。巻頭カラーなんてのはあくまでオマケ、サービスだ。全編カラーという試みもあるが、それが主流になっていないのだからやはりカラーではダメなんだろう(時間がかかるという問題もあるけど大作家なら人数かけれる)。漫画の絵は動かない、その動かないという要素が読者の感受性に働きかけて頭の中で動かし話させる、そこに色という要素は邪魔なのである。アニメは逆だ。アニメは喋るし動く。だから色という要素は相乗効果を生む。昔のモノクロアニメはそれはそれで味わいがあるし当時の感動を想起させるが、絶対今のアニメの方が作品としては凄い。その色が漫画にとって邪魔なように今売れている主流漫画のタッチも明らかに読者の想像力の妨げになっているに違いない。細かく写実的に書かれているのが悪いというのではない。要はここ最近におけるアニメ界の技術やクオリティに対抗するかのような漫画の描き方は漫画にとって恐ろしく作り手、受け手にとってクリエイティブの妨げになっているとうことだ。だから読むに気にならない。本屋に並んだカラーの表紙がやけにそそられる分、中身を捲って幻滅してしまう。これならいっそのこと全編カラーにしてくれたほうが楽しめるんじゃないか?漫画とは別物という扱いで。ついでになんかすげえ科学の力で本の中の絵が動いたり喋ったりしてしまった方がいいんじゃないか。今の売れている漫画が漫画の進化過程の一部であるなら、色が付いて動いていないとダメだ。つまりは漫画は今やアニメのプリプロダクションでしかなく、そんなラフの段階を本にして売っているという光景が異世界の出来事にしか思えないということ(そういう漫画がサブカル雑誌でも持ち上げられてたりするから摩訶不思議、もしや以前書いた流行遅れのオタク×サブカル妄想エントリーもあながち冗談ではない!?)。いやいやラフじゃない!時間をかけてしっかり描き込んであるじゃないか?それは言い訳だ。だって、それ自体作品になってしまうくらいシナリオから書き込んでしまう監督や作家もいるじゃないか。それにたった10分で出来てしまったものでも作品として成立しているものだって沢山ある。アニメは漫画の進化形態だ!その逆があってもいいじゃないか!う〜んなるほど・・・でもファッションモデルが俳優になって成功するのだって、モデルという業種を成立させたからこそであり、俳優へのステップとしてとりあえずモデルになったって俳優でもモデルでも成功できないんじゃないだろうか。それと同じように漫画はアニメへのステップではないのだから、アニメから触発された漫画にせよ、漫画は漫画として成立させて欲しい。これは単なる懐古趣味だと言われるかもしれない。感性が古いって言われてもいい。僕は古い人間だ。だって新しいものなんてこの世にはないじゃないか。。