リトルボーイなんて落ちてない
芸術起業論 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20060718bk04.htm
この不届き者!
原爆被害を誇らしげに利用する無神経さに私は憤りを感じたが、それもまた話題性に加担してしまうというカラクリ。彼の理想は「賛否両論」なのである。
戦争を餌にする度合いを比べること自体愚かなのだが、それにしたってここで腹立ててもしょうがない。だって芸術家の戦争批判なんてかわいいもんだ。飯事にもならない。せいぜいおしゃれな装丁の本作ってそれらしい話しとけばいいんだ。でそこから生まれるものなんてそれ自体なんの生産性も持たない作品だ。それより表向き戦争に反対しといて裏で武器作ってる奴らの方がおそろしい。しかも腹立てといて、いやこれもまた彼の話題作りの一つになってしまう、なんてちょっと楽しげに皮肉ったりしてるあなたも同罪じゃないの?それこそ本を持って本人の所に殴りこみに行って初めて正確に否定したことになるけど、これじゃあお前も戦争をネタにしてるだけだって言われてもしょうがない。
いやいや、戦争なんてこうやってネタにしてしまえばいいんだ。本当に無くしたいなら笑いの種にしてしまうくらいの残虐性で応対してしまわないとダメだ。あの悲劇を忘れてはならない、ではどうしたって、だからこそ戦争は続く。それが平和のための戦争だとかシリアスにねじ伏せられ続けるから。目の前で肉親を殺されてるのに無視しろ、忘れろ、無かったことにしろなんてことは言えない。外の国からテレビで悠々とその戦争のニュースを見ている人々の同調が、そのエネルギーがどこに集約されてしまっているのか考えろということだ。
そして今にもミサイルが飛んでくるかもしれないのにこうやって俺がブログを書いていられるのはそういう危機感やリアリティが世の中に足りないからだ。俺はなんて愚かなんだ。俺はなんて無知なんだ。俺はなんて平和ボケしたアホなんだ。戦争で苦しむ人の気持ちなんて微塵も分からない。想像も出来ない感受性の低い馬鹿だ。
そしてまた何の罪もない人間が意味もなく銃口を向けられてブルブル震えているかもしれないこの瞬間に俺はこうやってブログをつらつら書き連ねるんだ。
戦争のことなんか忘れてしまえ!とか無神経なことを口走るんだ。小さないざこざに意味もなく憤慨して話を飛躍させて根拠の無い暴言を吐いてしまうんだ。