杉本拓の音楽を

僕は彼の活字でしか知らない。
僕がようやく最近になって即興演奏に傾倒していく時期に
彼の言葉はそこにあった
音楽は言葉で伝えられない、
いやいや僕は
あの人この人の言葉で音楽を知り
あの人この人の薦めで音楽も聴く
そして僕は彼の活字によって彼の音楽を体験してしまえた
それはまさしく彼がフリーペーパーに全身全霊を込めた
演奏だった
といまさら思う

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さまざまな音楽家との演奏の中で消失に近い存在感を
貫いている彼の
懸念するところ・音響・即興という広い寛容性を持った
ものが形式化してしまっているという事実
すなわちそのまま簡略されたり
あるいは
デフォルメされたり・・・
ユリイカで唯一大友に異を
唱える彼の論考を
しかもあの順番で!(そのあとにすぐさま「ONKYO/音響」なんていうフレーズが出てきたらもうどういう顔したらいいんだい)
掲載した
ユリイカの責務は重大であり青土社
彼の特集いや
彼が書く音楽という一冊の書物
ノートにびっしりのアイデア帳なんぞ
を刊行に至らしめる
べきである
そこにきっと新(作)しい音楽がある!