クラムチャウダー / 井上陽水

クラムチャウダー

クラムチャウダー

ふと80年代の陽水に興味が湧いて、特にその頃の彼のライブパフォーマンスが気になっていたので中古屋で唯一その年代のライブ盤であるアルバムを運よく発見して買って帰ってきたが、これは割りとまともなアレンジでポップスのスペシャリスト達による完璧な演奏で、僕が聞きたかったのは、もっと異様な雰囲気で(それは肩幅の広いスーツ姿での弾き語りというその当時にテレビでちょこっと流れたダイジェストの鮮烈な記憶)ニューミュージックというカテゴリーをただ一人解体しながら突き進み野心的な言葉とリズムで革新的なハーモニーを生成している瞬間だったのだ。この時点でこういう形態をとっているということはやはり80年代前半に僕が求めているニューミュージックの聡明記の真っ只中で戦う彼の声があるのかもしれない。

↑は2000年にテレビで放送された特番の中のライブ演奏で曲自体は81年の作品。この時の演奏は凄まじいテンション(映像もPVみたいに編集してあって力が入っている)で、身内の間(僕と弟)で伝説化しているパフォーマンス(弟はあまりの衝撃に音声だけをMDにダビングして繰り返し聴いていた)である。発表当時には権利の問題でか”山羊の耳に盛り上げ製菓”と歌詞を改めたそうだが、この番組では原案通り””山羊の耳に森永製菓と歌っている。