パース×パース=ラブ

ウルトラパースフェクティブコミックメイカ横山裕一の「トラベル」が出た!フランスで先行発売されたものに加筆されてやっとこさ日本で発売。なにやっとんじゃ日本の出版会は・・・とか勝手なこと抜かしながら購入。そして一気に読み干す!プハー!!
彼の画ははっきり言って雑である。線や塗りははみ出てるし、引いちゃいけない所に線引いてしまってたり、スクリーントーンもはみ出てる。でもそれを巻き込んで作品として成立しているのだ。それは一コマが記号でも情報でもないからだ。つまりは優先度の違いである。例えば浦沢直樹の漫画にはそういう雑な要素があってはいけない。それはストーリーを伝える情報としてのコマに余計な引っ掛かりを与えてしまうからだ。横山氏の漫画はそういう線とか塗りとかに神経を使うと逆に全体的にパースフェクティブ度が下がってしまうのだと思う。つまりはラフであることに神経を研ぎ澄ませた作品なのである。彼の漫画がアート方面から注目されているのはその点が引き寄せているのかもしれない。ラフというのは僕の中の定義だと完璧な無意識が生み出す痕跡のようなもの。ラフはラフであるがゆえに完璧でなくてならない。その点では彼の漫画は100パーセントに近いラフ、つまりはラブ!愛に近づいたアートなのだ。Amazonのレビューに禅という言葉が使われていたが、まさに無我の境地!ラフという宇宙を創り上げた奇跡のパースフェクティブ漫画なのだ。盛大なる拍手を送ろう!もうこんなものを作る人がいるだけで幸せである。いつ死んでもいい。。
って正当化しないと受け入れられないくらいインクが飛んでたりするんだよ本当に。でも凄い。ファッション感覚も2.3世紀先を行っています。。